竹中平蔵

日本は企業の競争力がすごく弱くなっています。かつて日本の競争力のランキングは1位とか2位だったのが、今は20位とか低いランキングになっています。企業には自由に創意工夫を発揮してもらわないといけないのに、その自由がどんどんなくなっている。 世界銀行の出した企業の自由度に関するランキングで日本は2000年に40位でした。規制改革して2006年の小泉内閣から安倍内閣にバトンタッチするころは28位になりましたが、行きすぎた規制緩和だとわあわあ言いだして、今は47位です。台湾や韓国より下です。ここを根本的に変えていくということが一番大事です。 (企業の自由度とはどういうものですか?) 例えば、私たちが株式会社をつくって農業を始めようとしても、厳しい条件があって自由にはできないんですよ。10年間議論して一応できるようにはなりましたが、上場はできないんです。 (他にも、再生医療製品の承認期間で韓国が1年9か月のところを日本では7年もかかるという。) これを早めましょうというと、日本ではすぐ安全はどうでもいいのかといった極端な議論になる。安全はもちろん大切だが、世界の常識から考えてかけ離れていませんかということです。 (sk) この人は、ランキングがずっと下の南アフリカや、ずっとずっと下の中国、ロシア、ブラジル、インドといった国々が、規制緩和などせずにどんどん成長しているのを、どう説明するのだろう。スイス、フランス、オランダ、ベルギー、オーストリアといった国々も、日本よりランキングが低いけれど、そんなに問題はなさそうだし、ランキングが上の国々の経済が青息吐息だっていう現実は、目に入らないのだろうか。